書架庫の夢魔

恐らく2007年の9月くらいから始めて12月くらいまでかかっていると思います。
途中トルコ・エジプト旅行、大阪・東京での個展などで大幅に中断。

この物語のお話もかなり偏った近親相姦の非道いもの。
どのように短くまとめて雑誌のデザインの邪魔にならないか苦労しました。

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昔あるところに本が好きで政にも祭典にも興味のない王様が居ました。
領土拡大に熱心な大臣が隣国との戦争の相談に行くと「ガリア戦記」を一冊渡されたそうです。
この王様には娘が一人居ましたが、やはり王様は無関心で只本だけをお姫様に与えていました。
それ程に王様は政治にも家族にも全てに無関心で本の世界に埋没していたのです。

ある日お姫様は王様に尋ねられました。
「父王様、どうして私には母と云うものが居ないのです。本の中では人は皆、母を持っています」
読書中の父王は本から顔を上げずに答えました。
「そなたの母は本が好きで、山道を本を読み耽り歩いていたのだ。そして谷底に落ちた」
「それでお母様は? 」
「露と消えた」
お姫様はまだ幼かったのですが、本を沢山読んでいたので「露と消える」の意味を悟り暫くの間口を聞かなくなりました。父王は静かになり大いに助かりました。
しかし本の中でお姫様はまた新たな発見をしました。
「父王様。どうして私にはペニスとかマラとか云う物が股間にないのですか?」
「亡き妃が付け忘れたのであろう。何処かに生やし方が載った本があるだろう」
王様は文字を一瞬追うのを止めて答えられました。
「どんな本ですの?」とお姫様が尋ねられましたが、最早王様は読書に没頭していました。

お姫様はその日から図書室の本から「股間の秘密」「ベニスの生やし方」等が書かれていそうな本を片っ端から探し始めました。しかし立派な医学書を見ても秘密を解く手立ては見つかりません。
昼下がりの図書室で秘密を探すのに飽きてきた時、ある本のあるページの黒い染みが光ったような気がしました。お姫様はご自慢の虫眼鏡を持ち出して染みを覗き込みました。
すると何と染みの中でローソクが揺らめいているのです。
お姫様は驚き、目を凝らしました。ローソクの向こう側には女の子が股を開いて座っています。スカートははだけ下着は着けていません。顔を見るとどこかお姫様に似ています。そして開かれた股間からは立派なペニスが生えているではありませんか。
お姫様はもっと良く見ようとしましたが、ペニスの先が壁になっていて良く分かりません。
また自分に似た女の子が誰なのかも分かりませんでした。

お姫様は気がかりで一睡も出来ませんでした。そして科学大臣に頼み込みこの国で一番の拡大鏡を手にして翌朝一番に図書室に乗り込みました。
お姫様は黒い染みをこの拡大鏡で覗き込みました。これで今日、ペニスの秘密が解けるかも知れません。
一番にお姫様は女の子は誰なのか確かめました。拡大鏡で見る女の子の顔は鏡で毎朝見る顔と同じでした。
股間に目を移すとペニスの生えている位置が昨日より下になっています。拡大鏡をその位置に据えて覗くと小さなはずのアヌスから巨大なペニスがそそり立っています。お姫様の拡がり切ったアヌスからは血が滲んでいます。
「どうしてお尻からペニスが生えるのでしょう。お父様に聞かなくては・・・」
お姫様はペニスの先を見ようとしましたが、また壁があり先が見えません。しかし拡大鏡で良く見るとそれは壁ではなくて大きな男でした。
巨根は大きな男から生えていてお姫様のつぶらなアヌスに突き刺さっていたのです。昨日は可憐な割れ目に刺さっていたのか、割れ目が痛々しく歪んでいます。
お姫様は震える手で男の顔に拡大鏡を持っていきました。そして覗き込むと、それは何と父王でした。

お姫様はその日から本を読まなくなりました。そして疑問を持っても父王のところへは行かなくなりました。王様のところへは相談に来る大臣も娘も居なくなり、王様は死ぬまで心置きなく読書を楽しんだということです。

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