青い鳥

1998年4月の末頃から6月の末頃まで。色々と迷いながら撮影をしている。6月30日にイメージを撮り足して、翌日の7月1日は「痴蛙」の最初の撮影。
日誌に「この頃迷いが多い」と記してある。 その頃よりずーっと迷っているような気がする。

この作品のイメージは、男根脅迫神経症の少女。
克服しようとする努力は時として、ものすごく悲惨で混沌とした結果を生むものだ。

2007/4 ツカサさんから喪失していた文章を雑誌から起したテキストを頂いた。
有り難いので、少し手直しして貼り付けて起きます。

画像は再掲載に辺りPSで加工してありますが、
ラストの籠の中の首などはアナログな手法そのままです。
元画像はゼラチンシルバープリントに筆で着色。

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塔のてっぺんには
古びた鳥かごがあります
その中で幼き兄妹は
今も仲良く暮らしています
妹の口には幸せがつまっているので
いつも幸福の詩を唄うのです

昼なお暗い森に住む
幼い兄妹の愉しみは
ヴィーナスの森への探索でした
楡の木陰で唇を重ね
微かに膨らんだ乳房を吸いよせ
眠りにつく前には
互いに股間をまさぐり
ふたり舐り合いました
そんな兄妹をかごの小鳥が
老獪な目で見つめています

ある朝
小鳥は母の耳元で唄います
妹は兄のペニスを欲している
小鳥をかごから出して
ペニスを閉じこめないと大変だと

激高した母は妹を縛り上げ
兄 のペニスをちょんぎりました
そしてかごの小鳥を空に放すと
鳥かごの中にペニスを放り込みました

悲しみの妹はその哀れみの深さゆえ
縛られたまま鳥かごを見つめるうちに
とうとう首がもげました

妹の首が鳥かごへとすり寄ります
美しい髪がかごの金網に絡み千切れます

彼女は金網を食い千切ると
鳥かごの中へと入り込みました
そして兄のペニスを
愛らしいその口で慰め包み込みました

兄が妹の口の中で果ててしまうと
妹は小鳥のようにさえずり唄い出しました

塔のてっぺんには
古びた鳥かごがあります
その中で幼き兄妹は
今も仲良く暮らしています
妹の口には幸せがつまっているので
いつも幸福の詩を唄うのです


   

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